日本画を制作するには、さまざまな工程があります。
基本的な工程を簡単に記しますと
①描きたい対象をスケッチなどをしての取材
②取材を基に形・空間・配置・色彩構成等どのような作画にするかを明確にするために描く『小下図(小下絵)』制作(※イメージ画)
③『小下図(小下絵)』を基に制作をする実際の大きさで模造紙などに描く『大下図(大下絵)』制作
④『大下図(大下絵)』を基に実際の画面に転写をして、絵具を使用しての日本画制作
などです。
この工程は、全国の美術系大学の日本画科でも「小下図(小下絵)研究会」「本画研究会」とあるように日本画を制作する上で一般的な工程とされています。
とはいえ、現在は出品の1ヶ月半ほど前に「小下図(小下絵)研究会」があり、出品の1週間ほど前に「本画研究会」という流れのため、ご指導いただいた内容次第では1週間で大幅な手直しをしなければならないということもあります。
今までは、出来るだけ早い時期に次回作の取材をして『小下図(小下絵)』制作をして、「小下図(小下絵)研究会」後に修正点を加味して、短期間ではあるものの直接本画制作をしていました。
ただし、人物を主な作画の対象としている私にとって比率は同じにして制作をしているものの小下図と実際の画面の大きさの印象がことなる場合があり微調整をしながらの制作をする事が多くありました。
また、他の方も同じかと思いますが仕事をしながらの制作をする上で短期間で制作や修正をするには時間的な面で難しい問題があり、どうにか密度のある完成度の高い作品を制作するための改善点が必要と考えていました。
そこで、今までの制作工程を見直して
①描きたい絵のイメージ画を作成する(※ほぼ『小下図(小下絵)』)
②イメージ画を基に取材をする
③取材を基に「大下図(大下絵)」を制作する
④「大下図(大下絵)」を基に正式な「小下図(小下図)」を制作する
⑤(研究会後に修正点を加味して)「大下図(大下絵)」に手直しをして日本画制作
という順番を変えた流れに変更をして制作をしてみる事にしました。
これが吉と出るか凶と出るかはわかりませんが、今まで以上に準備の期間を増やしていこうと思っています。
たいしたことではないのですが、自分自身にとっては長年してきた工程を変更することになるのでちょっとした挑戦となります。
日本画を制作されていない方には何のことやら…と思われるかと存じますが、これからも現在の状況で出来る限り要領よく完成度の高い制作が出来るように工夫していこうと考えています(笑)
頑張ろう。